お金と生活

タイは階層社会|目の前にいるタイ人が理解出来なくなったときに思い出してください

タイ人のキャラを考えるときに、忘れてはならないのは”階層”というバックグラウンドです。

 

 

日本は、小泉政権以来『格差社会』化が進んだ様に見えましたし、実際『格差社会』という言葉が叫ばれる様になり『格差』を意識する時代に入ったのかもしれません。

しかしタイのそれは日本よりもはるかに格差が激しい社会構成になっています。

 

もちろん、インドのカースト制度のような目に見える形でその格差が見えるわけでは有りません。なので、ついつい見逃してしまいがちな部分なのです。

 

 

私も、初めてタイに来た時は全くこの感覚が分かりませんでした。ベビーブーマーとして生まれてきた私の世代は、一億総勢「中流」という感覚が根強いうえに、学校教育で「平等」である事をたたき込まれましたから。

 

しかし、タイに来るとその階層なるものを意識せざる負えない状況が多いのです。本当に全く違う。

 

 

タイの階層社会とは

階層間で、目に見える場所、見えない場所、すべてが全く違うのです。

上流階級 
(王族、それに準ずる人、大金持ちなど)

中流階級 
(いわゆるホワイトカラー、医者、経営者、大学ー大学院卒などの高学歴たちなど)

下流階級 
(ブルーカラー、農民、学歴がないものなど )

 

乱暴な分類の仕方だがタイの階層とはこんな感じだろうと思われます。

 

 

では、日本人がタイに来るとどの部分に属するのでしょうか?賃金だけみると、中流に位置します。

人口に占めるこの階層の割合は、きれいなピラミッド型で表されます。上流は少なく数パーセント程度で、中流も人口の30%程度ではないでしょうか?どんどん中間層が厚くなってきているとは言われていますが、それでもバンコク以外の都市ではまだまだという印象です。

 

そして半数以上のタイ人は、下流に位置します。
下流と言われても・・・だと思いますが、仕事でこのように分けてしまうのも心苦しいですが、いわゆるバイタク、タクシー、お店のウェイトレス、メイドさん、セキュリティー、などの肉体労働系の仕事に就いている事が多いです。



つまり、少ない知識階級の下に、よい教育を受けていない人達がたくさんいます。さすがに私の親の世代の時の様に小学校も出ていないというケースは少ないと思いますが、それでも中卒の人も少なくありません。

 

この階層ごとにくっきり生活パターンなどが分かれていて、ほとんど交わることが有りません。タイでは下剋上がほとんどないのが興味深いですね。

タイでは、上流は上流の暮らしを、中流は中流の暮らしを、下流は下流の暮らしをそれぞれしています。

 

 

そして、その階層それぞれがそれぞれの思考を持っています。お互いに理解することは出来るのですが、同調できるところがないのです。

 

日本人がよく、「タイ人って・・・・ありえない!」と怒っているが、あれはまさに階層のなせる技です。中流層に限って言えば、すべての人がそうとは言いません。ですがたいてい日本人と同じような思考パターンを持っている様に感じます。

 

政治や文化にする考え方、社会に対する意見なども、わかり合える部分が多いです。
似たようなモノサシをもって、思考していると感じれます。

 

 

上流階層の人と話す機会がほとんどないので、どのような思考をもっていのかあまり理解できませんがこれもまた、スケールが大きすぎてぶっとんでいます。

 

エステ?生野面倒くさいからウチに全部機械かって、エステティシャンに定期的に来てもらってるの。とおっしゃるマダムがいましたね・・・・。

 

下流の人とは、話し合いをするのが「難しい・無理」な状態です。本能的で、感情的な人が多く、理論的な話ができないケースが多い気がします。

もちろん、下流の人でも頭のいい人、性格のいい人は存在します。しかし、悲しいかな常識というモノサシが日本人のそれとまったく違いすぎて、お話になりません。

そんなタイの階層社会を知らずにタイにきて、タイ人って・・・!と立腹してもしかたないのです。

 

 

違う国だから。
そして、タイは階層社会だから。

 

 

日本人は平等ボケしてる

 

日本人は、平等ボケしてしまっていると思うんです。なんでも日本と同じだと信じて疑わないように思います。まずタイにかかわらず外国にきて、日本と同じ、ということはありえない!

日本という国はスゴイ国だと思います。落ち目とはいえ、まだまだ民度は高いです。自国なのでよく目で見てますが・・。

 

人の考え方、物事への取り組み方、日本人はとても真面目。そしてきっちりしている。相手の気持ちを考えるという事ができるのも世界一なんじゃないかと思います。

これは世界に誇っていい。いや、誇るべき!と声を大きくして言いたいです。

 



だからといって、他の国にそれを求めてはりません!
特にタイのような階層がはっきりして、全く思考の違う人々が入り混じって暮らしている国になどには。

 

タイは階層社会で、バックグラウンドがそれぞれ違う。だから日本人の思うどおりに物事が運びにくいのは当然といえば当然なのです。

 

タイに長く住んでしまった私は最近もはや無意識でどの階層の人と話しているかを、無意識に意識してる様に思います。

 

そうすることでタイで暮らしやすくなっています。なぜならどの階層にいるかで話す内容や会話する時の話方まで変えているからです。そして向かい合う時の態度、も。

 

タイは完全なる階層社会です。もしあなたの目の前にいるタイ人が理解出来ない言動をしたとき、その人の出身を思い出してみてください。そして教育レベルを。自ずとしてどうやって行動すべきかが見えてきます!

 

そして、タイで生きやすくなります!